エッセンス オブ フライ フィッシング & エッセイ オン フライ フィッシング     vol.84 ガガンボ/竹田 正

2017年01月23日(月)

仙台東インター店

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 解禁当初の里川で、常に意識しておきたい水生昆虫のひとつがガガンボ。小さいもので体長2mm程度、大きいもので50mmを超える。ガガンボの仲間は非常に種類が多く、フィールドで見かけてもそれが何という種名なのか、到底分からない。通常フライフィッシングで対象となるのは、ウスバヒメガガンボを代表とする体長2~3mm程度のガガンボである。
 メイフライのハッチが見受けられない時でも、大抵その姿を見かけるものである。流れに頭を出している石にアダルトがびっしりと付き纏っていることも多く、手を着こうとして、おっと~!となることもある。また、ハイシーズンのイブニングで、呼吸するのもはばかられる程のおびただしい量で、一気に羽化が始まることもある。体中に纏わりつき、口と言わず鼻と言わず吸い込みそうになる。その時間帯を過ぎると捕食ステージはヒゲナガに移行、ということもある。はてまた秋に入ってからも重要な捕食対象になることもあり、C&R河川の大物ニジマス狙いでこのシーンに出くわすと、なかなかにてこずることも多い。ガガンボ、要は一年中マークすべき存在なのである。

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 丸囲い中心が捕食されたガガンボ。魚がこれを偏食していると胃の中はガガンボ一色ということもある。


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 フライパターンとしてはCDCを使用してレッグに見立て、弱々しくもしっかり浮くように巻きあげたいところだが、実のところ本物が流下する様子は肉眼ではほとんど見えないので、フライもその程度の視認性にしておいた方が食いは良い。


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 CDCの量は多め、長めにしておいて、現場で調整するというのも実戦的。ボディの色は淡い感じで、黄色~ブルーダン系統に仕上げておけば良いだろう。


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 ウイングは控えめにしておくか付けなくても良いくらい。ぽっかり浮かずに水面にぺたりと乗る感じか、水面直下を流した方が反応の良いことが多い。

THE ESSENCE OF FLY FISHING & THE ESSAY ON FLY FISHING vol.84 / T.TAKEDA

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