エッセンス オブ フライ フィッシング & エッセイ オン フライ フィッシング    vol.103 オオマダラカゲロウとミツトゲマダラカゲロウ/ 竹田 正

2019年05月24日(金)

仙台東インター店


 5月から6月、様々な水生昆虫が羽化し賑やかさを増してくる。その中でもわりと大型、黄褐色と赤褐色のしましまのボディーで際立つ存在感を示すカゲロウにミツトゲマダラカゲロウがいる。ダンはオオマダラカゲロウにとても良く似ているが、それよりも一回り小さい感じ。生息場所によって褐色が濃い個体やオレンジや黄色がつよいものがいるようである。私が釣り歩く河川では、5月中旬あたり、菜の花が満開の頃にオオマダラの羽化があり、その後2~3週間経ってからミツトゲを見かけるようになる。水面羽化もしくは水中で羽化を行い浮上するようで、羽化してから水面でばたばたと羽を広げつつ流れる姿は相当に目立つ存在である。フライパターンとしてはオオマダラカゲロウ#8~10に対しミツトゲを#10~12とするか、共用でも差支えないだろう。


オオマダラカゲロウのニンフ。色合いに個体差がある。


水面を流れてきたシャック。ダンが抜け出した抜け殻である。背部ウイングパッドが割れている。


オオマダラカゲロウのダン♂ ハッチに伴い、ライズの饗宴となることも多い。そのピークはわずか15分ほど。


オオマダラカゲロウのスピナー♀ 卵塊を抱いている。


ミツトゲマダラカゲロウのダン。テールがまだ伸び切っていない、羽化直後の個体。


クイルゴードン。釣り上がりで使いやすい。


パラシュートスタイルで。アブドメンの色は羽化後のステージや個体差に合わせて濃淡3色を用意しておく。


流れるダンを執拗に偏食している時はカラーは勿論のこと、サイズやボリューム感も大切になってくる。ディタッチドボディのパターン。


染めたストリップドピーコックでアブドメンを巻きあげ、CDCのウィングをややスペント気味にセット。ダンとしてもスピナーとしても使えるスタイルに仕上げているが、イブニングのスピナーフォール時で激しいライズが起きている時に大助かりしている。


イマージャーとして活躍するウエットフライ、ブラックアンドオレンジ。

THE ESSENCE OF FLY FISHING & THE ESSAY ON FLY FISHING vol.103/ T.TAKEDA

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