エッセンス オブ フライ フィッシング & エッセイ オン フライ フィッシング     vol.91 エルモンヒラタカゲロウ/竹田 正

2018年04月21日(土)

仙台東インター店


 初夏になると水生昆虫の羽化の時間帯は夕方に移行してくることが一般的である。薄暗くなってきた景色の中、ぽっぽっと白い妖精が飛び立ち始める。目立つ程の大きさである。おそらく水面下では少し前から魚たちがざわついていたのだろう。羽化を察知した魚が本格的に水面へ乗り出してくる。ひとつふたつ流れに飛沫が上がり始めると、とたんにあちらこちらでライズが繰り返される。ぽんとドライフライを投げ込み、ばしっと出てくれると実に爽快な気分。余程の大量羽化で無い限り、この幸せなひと時はあっという間に終わることが多い。恐らく5分か10分程度だろう。おお、ライズだ!とフライを結び替えていては、最適なタイミングに間に合わないこともあるので要注意。つるつるすべすべの丸い底石に早い流れがすぐ上手に控えているところでは、来るかもよ!と、あらかじめ予測しておこう。
 なお、ニンフが非常に良く似ているタニヒラタカゲロウは、その羽化が早春に集中している。当然の事ながら地域差があるものの、4月下旬あたりから羽化期が始まり夏まで見かけるエルモンヒラタカゲロウとの区別はつくことだろう。



 成虫はスピナー、亜成虫をダンと呼ぶ。ダンはもう一度脱皮してスピナーとなる。身体はより硬質な感じになり、羽などは透明感が増す。画像はスピナー。



 イブニングに用いるドライフライは、良く浮いて水切れが良いものが向いている。ライトケイヒルなど淡く白っぽいもので。



 メスのイメージでアブドメンを青緑に仕上げているとそれっぽくなるものだから、釣る方も気分が盛り上がる。



 羽化期が近づくと、ニンフの背中は黒っぽくなってくる。平たいフォルムに仕上げた。



 ホワイトミラー。ドライフライが効果を発揮しないときはウェットフライで。

THE ESSENCE OF FLY FISHING & THE ESSAY ON FLY FISHING vol.91 / T.TAKEDA

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